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10月, 2025の投稿を表示しています

ペケレットの秋深まる

   今秋の紅葉はすばらしい。家の窓から、庭から森の木々に目をやっても、畑でペケレットを一望しても、秋は日ごとに美しさを増して深まっていく。まずナナカマドがマダラに色をつけ、続いてニシキギ、サクラ、ヤマブドウが赤く染まる。次は黄色組。ミズナラ、カツラ、ネグンドカエデ、そしてシラカバが彩りの隙間を埋め尽くすと紅葉はほぼ完成する。川でダイコンを洗いながらペケレット方面を見やると、キタキツネがこちらに向かって歩いてくる。ペケレットは元は石狩川の三日月湖。北大時代の 1990 年ころ、政治学者の篠原一、松下圭一、行政学者の西尾勝などの諸先生が研究会や講義にこられた際、しばしばここに招いて楽しい一時を過ごした。沼を囲む 4 キロの自然豊かな緑道を一周するとお腹がすく。そこでビールでのどを潤しながら極上のジンギスカンに舌鼓を打つ。先生たちはオオウバユリの奇怪な姿やトリカブトの群落に驚き、目と鼻の先でキタキツネに出会って感動し、石狩川の短縮や開拓の歴史にも話題は及ぶ。私はその数年後に現在地に越してきた。ペケレットはわが家から 400m 。こんな近くで、お世話になった先生たちの面影を偲ぶことができる。  

国会議員数の国際比較

 例によって新聞から国際比較の記事を転載します→日本維新の会が衆議院比例代表を念頭に国会議員定数の 1 割削減を自民党との連立入りの条件として主張し、自民もこれに応じようとしています。衆議院調査局第二特別調査室が 4 月に公表した「選挙制度関係資料集」( 2025 年度版)によると、主要 7 カ国( G7 )の国会議員 1 人当たりの人口は、日本が 17 万 5 千人です。(グラフ略)英国が 4 万 6 千人、フランスが 7 万人、カナダが 8 万 7 千人、イタリアが 9 万 8 千人、ドイツが 11 万 9 千人です。日本と英国とでは、 3.8 倍の開きがあります。米国は 63 万 2 千人ですが、同国は 50 州からなる連邦国家で州の権限が大きく、各州のほとんどが上下両院からなる議会をもっているなど特殊な事情があります。米国を除けば、日本は G7 で最下位です。今でも少ない日本の国会議員の定数を削減すれば、さらに国民の声が国会に届きにくくなってしまいます。(しんぶん赤旗 2025 年 10 月 19 日より転載) *(付記・神原)アメリカは 50 の国(州)からなる連邦国家で、各州は日本のような単一国家に相当し、連邦政府は外交・通商など州から委ねられた権限を行使します。

松下『成熟と洗練』の奨め

  政治学者・松下圭一が没して 10 年になる。松下は壮大な構想力で理論を現代化し現代を理論化した政治学の泰斗であった。私は近代の知の巨人が福沢諭吉であったとすれば、現代のそれば松下だと思っている。彼は厖大な著書で市民政治理論を展開したが、 50 冊目の最後の著書が 2012 年の『成熟と洗練―日本再構築ノート』(公人の友社)だった。彼は晩年、市民文化の「成熟」と「洗練」された市民政治の予測に逆行し、怠慢と拙劣な対応を露呈する現実の政治・行政の様相に、日本の「没落」を予感し「焦燥」を募らせた。「没落と焦燥」も松下の言葉である。それゆえに、「日本再構築」のために、これまで繰り返し説いてきた「成熟と洗練」に向けた諸論点をあらためて書き遺したのが本書である。出版から 10 年以上たつが昨日出た本と錯覚するほどの新鮮さがある。首相もつくれなくなった政党政治の劣化に目を覆いたくなる日々だが、かといって私に何かいえるわけでもない。それならばこの本をお薦めすることがいまやれる最良のことではないかと考えた。 2500 円、 260 頁。収められた 78 の小論は読みやすくどこから読んでもよい。私はずっと枕もとに置いている。庭の開花→アキチョウジ( 171 )

私も猿並みの発見をした

  あの暑い夏がウソだったかのように吐く息は白くなり、数日前には旭岳の初冠雪が報じられた。札幌の初雪はいつかと手稲山の頂に目をやることが多くなった。畑の片づけは大方終了し、ダイコン、サツマイモ、ビーツを残すのみとなった。これらは数日後には収穫しようと思うが、トマトだけはまだそのままにしている。今年はトマトの栽培にひと工夫凝らしてみた。トマトは脇芽を放置すれば成長を妨げるので、見つけ次第摘み取って捨ててしまう。だが、この脇芽は水にさしておけば 3 , 4 日で発根する。これを植えつければ種や苗から育てたものと変わりなく成長する。そこで今年は脇芽をとる時期を少しずつずらしながら 20 本ほど育ててみた。結果は良好であった。この方法で例年よりはるかに長い期間トマトを食し、この時期まだ楽しめている。経験から、できるだけ根元に近い太い脇芽を発根させたほうが成長も結実もよいようだ。摘んで水たまりに放置していた脇芽の発根を偶然発見してはじめた。酒は木のウロに放置した果物が自然界の酵母菌の働きで酒に変わることを猿が発見したことがコトハジメというまことしやかな説がある。私も猿並みの発見をした。

ゼミレポートは生涯の宝

  一昨日、 30 年ぶりになる北大時代の教え子と昼食した。長い空白は感じず楽しい時間を過ごした。 1993 年、この年の 25 人のゼミ生はよく勉強し実に仲がよかった。私はゼミ学習の一環として、自治体のまちづくりの現場を現地に合宿して学ぶことを慣わしとしていた。この年のゼミのテーマは「過疎問題を考える」。ゼミ生は、まず過疎法の目的や制定・改正の過程、過疎地域指定の状況など、過疎についての基礎的な知識を習得。だがこれだけでは過疎地域の本当の姿は見えないことに気づく。道内には 212 市町村のうち過疎自治体は 147 もある。どうすれば過疎の姿がとらえられるか。ここから学生たちの懸命の知的作業がはじまった。そして市町村を①非過疎②脱過疎➂入過疎④常過疎の 4 タイプに類型化した。そのうえで、優れた村づくりで見事に過疎から脱した②の中札内村と、新たに過疎に指定された➂の松前町を合宿地に選んだ。両役場の温かい協力があってできあがったA4判 80 頁の共同レポートは、高く評価されて雑誌にも掲載された。冒頭の教え子はこの年のゼミのリーダー格で、いまは大手全国紙の政治部長。ゼミ仲間とレポートは「生涯の宝」だという。  

優れた議会広報を読む

 私の所属する議会技術研究会(共同代表=西科純・渡辺三省)は 11 月 15 日に「議会フォーラム 2025 」を開催する。テーマは「議会は住民に何を伝えているか」で、各地の自治体議会の優れた広報を読んで議会改革のあり方を考えよう、というのがねらいである。栗山町、芽室町、福島町、浦幌町など多数の議会をとりあげる。議会広報は住民に配布される「議会だより」を中心に議会の活動状況を住民に情報公開する手段だが、議会がよい活動をしていなければ中身のあるよい広報はできない。その意味で「優れた議会改革なくして優れた議会広報なし」ということになる。そこで優れた議会広報の実例を可視化しながら検証して、そこから議会改革のあり方を学ぼうと今年のフォーラムを企画した。 2006 年を元年として北海道の栗山町議会からはじまり全国に波及した議会改革をふり返って、ゼロからスタートした改革がどこまで到達したか、「改革課題の到達状況」も検証する。参加される議員はおそらく自分の所属する議会の到達水準を考える手がかりを得ることができるだろう。参加希望者は気軽にご連絡ください。西科( 080-6090-6252   nishina1963@gmail.com )

運転免許を返上したいが

 いま車のことが悩ましい。運転免許を返上したいのだができないのだ。 1988 年に札幌に U ターンする前の東京生活は車とは無縁だった。公共交通機関を利用すれば十分で、なにより排気ガス・騒音などの公害をまき散らし、交通事故の心配の絶えない車の所有は「走る凶器」といって忌避していた。ところが北海道に戻って事情は一変した。「自治体学」という学問を専攻しているのに、広い北海道では車なしでは地域のことを知りえない。そこで一念発起して 48 歳で免許を取得した。「走る凶器も 50 過ぎれば福祉機器」などと自嘲しながら…。ところが数年後、昭子が車イスになり本当に福祉機器になった。走った距離はおよそ地球 5 周。昭子と全道をかけめぐり、仕事も生活も以前とあまり変わらない状況をつくりだせた。車は最初からトヨタのRV 4 で、他車は所有も運転もしたことはない。幸い事故はなく、交通違反も笑い話のようだが、 10 ㌔の速度違反で、それも偶然だが大学の教え子だった警察官に捕まって罰金を課せられたこと一度だけ。いまはもう遠出はしないが、各種通院はじめ車なしでは日々の生活は成り立たない。もう一度だけ車検をクリアしようか…。

畑作のご老人に出会って

  森でヤマブドウ狩りをしたとき、側で畑作を営むご老人に出会った。この畑のそばに容易に採取できる場所があるが、私は避けて森に深く分け入っていた。その畑のへりにカラフルなベンチや木登り遊具を見て、子どもたちの遊び場に違いないと察したから。過日初めて会ったご老人に遊具のわけを尋ねてみた。曰「数年前から作物を援助している子ども食堂の子たちをブドウ狩りに招いている」。子どもたちの楽しみを奪わないでよかったとまず安堵した。しばらく立ち話。日々の報道でガザのジェノサイドにみる子どもたちの惨状に心を凍らせ、 NGO の国境なき子どもたちや国連のユニセフからの情報にふれては世界の子どもたちの受難に心を痛めるが、日本の子どもたちもかつてない苦境にさらされている。十数年前から増え続けいまは 1 万を超える子ども食堂はそれを象徴している。子どもの貧困率は 14 %に達していて G7 でも高水準。子ども 6 、 7 人に 1 人が貧困状態におかれている。「子どもの権利」「独りにはしない」「子育ての社会化」などなど、言葉だけが舞う。選挙が終わって 3 ヵ月、国会も開かれず、自民党は 5 つの神輿をかついで総裁選という秋祭りに余念がない。庭の開花(記入漏れ)→コレチカム( 167 )、タデ( 168 )、ヒメフウロ( 169 )、アキノキリンソウ( 170 )

冬の食卓に添えたい絶品

  畑の後片づけの一方、手塩にかけた作物は無駄にしない精神なので、秋は台所に立つ時間がけっこう長くなる。獅子唐辛子の葉は油と酒・砂糖・醤油の基本割合( 1 対 2 対 3 )で炒めて佃煮にし、煮沸消毒した容器に小分け保存する。栗は渋皮のままあく抜きを数回くり返しながら甘く煮て瓶詰保存。そのまま食べてもよし、ケーキなどに使ってもよし。茹でたトウモロコシの粒は小分けして冷凍保存、コーンスープやサラダなどに使う。完熟したトマト(イタリアントマト)はケチャップにする。ヤマブドウはジャムにした残りは市販の酵母を使ってワインにする。出来がよいときはワインとして楽しめるし、そうでなければ料理酒になる。余ったキュウリは甘酢煮にして冷凍保存すれば味が低下せずに長持ちする。例えば 6 本の場合。タテ 2 つに割って短冊に切り、塩(小さじ 1 )をふって約 20 分間水気を切ったあと、唐辛子2本を加えてサラダ油(大さじ 1 )で軽く炒め、あわせておいた酢(大 3 )・砂糖(大 4 )・醤油(大 1 )・塩(小 1 ~ 2 )を加えてひと煮たちさせたらできあがり。これらがなくても生きていけるが、冬の食卓にもう一品、畑の風景という絶品を添えることになる。