運転免許を返上したいが
いま車のことが悩ましい。運転免許を返上したいのだができないのだ。1988年に札幌にUターンする前の東京生活は車とは無縁だった。公共交通機関を利用すれば十分で、なにより排気ガス・騒音などの公害をまき散らし、交通事故の心配の絶えない車の所有は「走る凶器」といって忌避していた。ところが北海道に戻って事情は一変した。「自治体学」という学問を専攻しているのに、広い北海道では車なしでは地域のことを知りえない。そこで一念発起して48歳で免許を取得した。「走る凶器も50過ぎれば福祉機器」などと自嘲しながら…。ところが数年後、昭子が車イスになり本当に福祉機器になった。走った距離はおよそ地球5周。昭子と全道をかけめぐり、仕事も生活も以前とあまり変わらない状況をつくりだせた。車は最初からトヨタのRV4で、他車は所有も運転もしたことはない。幸い事故はなく、交通違反も笑い話のようだが、10㌔の速度違反で、それも偶然だが大学の教え子だった警察官に捕まって罰金を課せられたこと一度だけ。いまはもう遠出はしないが、各種通院はじめ車なしでは日々の生活は成り立たない。もう一度だけ車検をクリアしようか…。
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