節句近し、お雛様を飾る
ここ数日好天気と暖気が続き、昨夜は雨もあって一気に雪どけが進んだ。今朝は庭の土も一部露出しスノードロップのつぼみも確認できた。春はもうそこまできている。間もなく桃の節句。この時期が近づくと、昭子の指示でひな人形を飾る。娘の千鶴が逝って16年になるが愛でた人形を飾って面影を偲ぶ。浅草の千鶴の曾祖母が知り合いの老舗から求めた本格的な段びなは、組み立てに手間を要するので、いまは祖母が好んだ女男びなだけの立ちびなと額入りびなだけにしている。「病院の棚」と書かれた東京時代の古びた収納箱を開け(祖母は小児科医だった)、場所をつくって飾ること小一時間、娘だけでなく娘を慈しんでくれた曾祖母や祖母たちの笑顔も一緒に浮かんでくる。私が子ども時分の昭和20年代の田舎はまだ一様に貧しくて、わが家はもちろん自宅で飾りつけをして節句を祝う習慣は周囲にはなかったから、ひな人形を飾ったり鯉のぼりを靡かせる楽しみは、子どもならず親の私にとっても心ときめく初体験。童謡、童話、絵本なども同じ。子育てや子どもの成長の過程で私自身も積極的にこれらを追体験し、過ぎし時代の未知・未経験をずいぶんととり戻すことができた。
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