地域からの平和の創造
憲法をみるときいつも想い続けてきたことがある。現憲法をそれ以前の明治憲法と比較すると、第1章天皇→第1章天皇、第2章臣民権利義務→第3章国民の権利及び義務、第3章帝国議会→第4章国会、第4章国務大臣及枢密顧問→第5章内閣、第5章司法→第6章司法、第6章会計→第7章財政と章立てを踏襲していることがわかる。これは現憲法が手続的には明治憲法の「改正」だったことにもよる。もちろん章立ては同じであっても内容的には大きく様変わりし、天皇主権から国民主権への転換をはじめとして、憲法自体がいうように人類普遍の原理を謳った優れた事実上の「新憲法」であり、それゆえに改正されることなく現在まで永らえてきたのだが、私はこれに加えて、新憲法には旧憲法には存在しなかった2つの章が新設されたことの意義を特別に重く考えている。第2章戦争の放棄と第8章地方自治の2つがそれである。戦争の放棄はあの無謀な戦争を深く反省した平和の価値の確認と国の行動原則であり、地方自治は国民主権を地域から日常化させる民主政治に不可欠の装置である。世界のきな臭さと日本の危うさが深化する現状を顧みて、いまこそこの2つの戦後的価値のもつ意義を再確認し、2つを結び合わせて地域からの平和の創造の大切さをかみしめたい。(*2026年1月に発行された「あいの里『9条の会』20周年記念誌」に投稿したエッセーを許可を得て転載しました。)
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