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年賀状転じて寒中見舞状へ

 近所の老人の間で「年賀状終い」が話題になる。長く続けた習慣をやめるのには心の整理が必要になるのだろう。義理を欠きはしないかといった懸念のほか、パソコンやスマホと縁遠い人はコミュニケーションの回路がますます細くなるからそうした思いを強くする。だが私は自然体でいけばいいと思う。私にも賀状遍歴があって、妻の昭子が大病をした翌年の 2000 年から手が回らなくなってやめ、退職した 2014 年になって時間ができたから再開した。文面は 1 枚のハガキを昭子と 2 等分して書く。去年からは年賀状ではなく「寒中見舞状」に切り替え、 1 , 2 月中に出したい人に出している。この先はやめたくなったらいつでもやめる。出す以上は相手に思いを馳せながら名前と住所は手書きを鉄則にしている。宛名まで機械印刷して出した人の名は全部は覚えていないという人の話を聞いたことがある。文面には主に近況のようなことを書くから、普段から筆不精になりがちな自分を戒めていれば、賀状という一時の大量作業に頼らなくても済む。それでも少しずつ意欲と能力が衰えていくことは避けられないが、これは自然な姿だから臆せず成り行きに任せればよい。

4ヵ月ぶりに床屋に行く

 京都の日野山中に籠りっきりだった鴨長明は街に出るとき、普段の汚い身なりが多少は恥ずかしくなるといった。私はそこまでの隠遁生活はしていないが、昨日はわが身をみかねて 4 か月ぶりに床屋に行った。あいの里生活 30 年で行きつけの床屋さんは現在が 2 軒目。最初はこれから生活する地域のことが知りたくて、そのためにはこの土地で長く営業している高齢の床屋さんが一番と駅近くの店を探し当てた。甲斐あって親しくしていただいたが不幸にも病に倒れられた。その後は現在に至る 20 年来の床屋さん。私より半回りほど年下で十勝の本別町出身。十勝は中札内村、池田町、足寄町、芽室町、鹿追町、士幌町、帯広市など馴染の自治体がたくさんある。本別町もその一つで農業と福祉のまちづくりに力を入れる活気のあるまちだ。北大生を引率してまちを隅々まで見学したこともある。共通の知人もいる。そんなことから床屋の主人・稲田さんとは近隣自治体のこともふくめて何かと話題が尽きない。それに稲田さんは農家の経験が豊かで現在も趣味の菜園を試みているから話が楽しい。いつも<床屋談義>を超えた稲田さんの存在を感じながら帰ってくる。

脳の容量が小さくなって

 1 2 月も半ばを過ぎた。二十四節季でいえば 12 月は大雪と冬至だが、あいの里はいまのところ大雪もなく比較的過ごしやすい日が続いている。けれどもブログをまたしても休んでしまった。予期しないことが起こり、月初めに家族が入院して何かと落ち着かない日を送っていたからだ。これまで家族が入院したときはいつも病状の変化など予後のことを詳しく記録し、退院して元気を回復してから本人に手渡すことを常としてきたが、今回も同じでブログに替えて入院日誌を綴っている。幸い大事には至らず年内には退院できそうなので、私も少しずつ平常心に戻りつつある。なにしろ作動する脳の容量が小さくなっているのだから、普段の生活にこのような突発的な異変をプラスして、柔軟あるいは系統的に対応する頭はもはや私にはない。そこでたいして頭を要しないで完結する事柄に時間を費やすことにした。たとえば掃除。今年はとくに窓の掃除に力を入れた。キッチンも 2 日がかりで冷蔵庫などを動かして隅々まで丹念に掃除。無為の時間を悶々と過ぎすのではなく、こうすることで清々しい気持ちで退院の時を待ち、また年末年始を迎えることができることになった。

フォルティウスおめでとう

 このところ朝 8 時からと昼の 12 時からはじまるカーリングの試合に夢中になってテレビの前にくぎ付けになり、短い昼間がますます短くなる。わが家は古くからのカーリングフアンだからどうしても観戦の優先度は高くなる。発祥の地とされる常呂町には 2000 年代の初頭まちづくりの現場を見学するためによく訪ねた。漁協の建物の周囲に「森は海の恋人、川は仲人」の旗が何本もひらめく。漁協婦人部は常呂川の上流の山(北見市)に土地を買って植林し森を守る。その山の栄養分を常呂川が海に運ぶ。かくして豊かになった海の畑で良質のホタテが育つ。こんな常呂発のまちづくり哲学が「森は海の恋人」のキャッチフレーズとともに全国にひろがった。常呂町が北見市と合併する前のこと、当時の井原久敏町長が私と昭子にこの感動的な物語をしてくれた。そのとき「今後の課題」といって力を込められたのがカーリングの普及。古い施設を転用してつくった国内初のカーリング場にも案内してくれた。あれから 20 数年、関係者の並々ならぬ努力が功を奏して国民的スポーツに発展し、とくに女子チームは五輪でメダルをとるまでに力をつけた。フォルティウス、おめでとう。