「政府」という言葉の用法


 5月3日の憲法記念日にラベル「窓明浄机」に旧稿3本を投稿したが、このなかで用いている「政府」の意味が、一般的に使われる用法とは違うのはなぜかという質問をいただいた。英米で政府といえばgovernmentと表現する。これは国民国家の政治機構を総称する言葉で、国会(立法)、裁判所(司法)、内閣(行政)、自治体がふくまれる。私が使うのはこの広義の政府。これに対して内閣と行政機関だけをさす狭義の使われ方がある。日本の一般的な用法は後者。その理由。立憲制が発達する以前、つまり3権の区別がなかった明治時代に政治機構全体を総称する言葉として「政府」が用いられた。当時のドイツの影響を受けている。また立憲制成立後も天皇主権の政治が続いたため、天皇が信任・任免する内閣や行政官省を政府と呼んだ。さらに内閣や行政庁を政府と呼ぶ狭義の用法は、戦後の日本国憲法のもとにおいても惰性的に引き継がれ今日に及んでいる。自治体を「政府」と呼んだのは美濃部亮吉元東京都知事が最初(1971年)で、市民の直接の信託を受けた自治体の自主・自立性を強調するために東京都を「地域の政府」と表現した。以後はこの意味で自治体ではしばしば用いられる。例えば堀達也元知事の「北海道地方政府の確立」など。庭の開花順→ラニュウム(43

 

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