人生、最感動の鯉のぼり

  小学1、2年の子どもの日、校庭に鯉のぼりが舞った。小中学校だったから9学年・9学級の300人の生徒が一緒に暮らす。鯉のぼりは新聞紙を用いた手製で、小学12年生の分は中学生が代わってつくってくれた。大きさは学年順。貧しい時代だから布製の鯉のぼりは無理にしても、手製でも絵具は大量に使えない。小学生の6匹は少しだけ色づけしたが中学生の3匹は墨一色。ササで口の輪っかをつくり、形どった新聞紙を幾重にも糊づけ。ワクワクしながら中学生の手さばきに目を見張る。そして乾燥させること1週間。いよいよ掲揚の日、全生徒が春風に泳ぐ鯉のぼりに歓声をあげる。だが感激は長くは続かない。せいぜい23時間。なにしろ新聞紙だから風が強まればちぎれて飛んでいく。最後に残るのが小学12年生の小さな鯉のぼり。つくること1週間、眺めること3時間。それでも、ふり返って、人生最良、最感動の鯉のぼりには違いない。むかしグリム童話を翻訳した金田鬼一は、子どもの虚心・純真の心があればこそ、人間は「久遠の若さ」を保つことができると書いた。その心を培ったあの学校はもうない。新聞は15歳以下の子どもの数が44年連続して減少と報じている。開花→バーベナ(35)、ミツバアケビ(36)、黄色カタクリ?(37)

 

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