「茨木のり子」を携えて
今日から3日間、昭子はショートステイへ私は東京へ。荷物はホテルに送ったから、持ち物は軽いザック。1冊だけ小さな本を入れた。出たばかりの茨木さんの詩集『自分の感受性くらい』。岩波現代文庫として再発行された。1999年に昭子が大病したとき、十亀昭雄先生(教育大学名誉教授)が、出版直後の茨木さんの詩集『倚りかからず』を贈ってくれた。政治学者の先生は文芸・音楽・声楽・絵画などの世界にも通じておられて実に感性が豊かな方だった。そんな先生だったから茨木さんの詩集にはきっと私たちの傷んだ心をケアする力があると思われたに違いない。私たちは初めて茨木さんに出会った。それ以降とくに昭子は熱を入れて全集をふくめてそろえ、現在もいつでもすぐ手の届くところにおいている。隣には親友・戸塚美波子さんの詩集『金の風に乗って』が並んでいる。茨木さんの詩は、社会、政治、歴史などと、感性のいたる領域がひろく、テーマにも日常性があって言葉もユーモラスで平易だから私にもストンと落ちる。それとなく潜んでいる価値観も共感できることが多い。読んでいると彼女と対話しているような気分になる。「自分の感性くらい」と「倚りかからず」。もう何度も読んだが、飛行機の座席についたらまた開く。
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