童話村と森の子ども村

 5月。紫の芝桜が開花。この芝桜は30年近く前に昭子と滝上町を訪ねたときにいただいた。町の美しさに魅せられて北大生を引率したこともある。町長だった山口恒雄さんは、「かつて四国から贈られた1箱の花を大切に育ててここまで増した」と、小高い丘一面に咲き誇る芝桜の絨毯を見渡しながら話してくれた。そのころの滝上町は「童話村」づくりに力を注いでいた。緑の渓谷を流れる渚滑川に架かった数本の橋には色調やデザインに工夫が施され、学校、保育所、スポーツ施設、道路標識、街路灯などもメルヘンチックなデザインで統一されていた。「香りの里フレグランスハウス」や「ホテル渓谷」も目を見張った。かつては主産業だった林業の衰退から町を再生させる懸命の模索のなかで行き着いた活路の一つが童話村づくりだった。その模様は全国紙にも紹介され優秀賞を受賞した。徳村影さんも忘れられない。町民の徳村さんは、幼いころから森に親しんで生命に触れ感動する心を次世代に伝えたいと、小学生を中心に「森の子ども村」を開設する抱負を語っていた。あれから30年もの時が流れたが、庭の芝桜を見るにつけ滝上町の2つの村づくりの物語が脳裏をよぎる。

 

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