後進国に近い中心国状況
日課の新聞切り抜きをやめて10年。けれども日本の国際ランキングを示す諸指標だけは続けてきた。10年前に恩師が他界されたのが契機。政治学者で市民自治論の泰斗だった先生は、晩年に「成熟と洗練」、「没落と焦燥」という言葉を多用された。洗練された市民政治の成熟の予測に逆行し、怠慢と拙劣な対応を続ける現実の政治・行政の様相に日本の没落を予感し、焦燥を募らせた。私は先生が予感する「没落」の姿を新聞で追ってきた。近時の新聞から→GDP3位(近く4位転落確実)、国民1人当り名目GDP33位、政府債務残高1位、労働者平均給与24位、相対的貧困率G7中1位、幸福度ランキング47位、報道の自由度70位、ジェンダーギャップ138位、女性議員(国会)の割合164位、働く女性の法的保護は主要先進国中最低、太陽光パネル生産量は1位から5位へ、二酸化炭素の排出量G7中最多。ほかにも非正規雇用率、教育費用自己負担率の異様な高さなど枚挙にいとまがない。ここからみえることは、日本は「先進国」などではなく「後進国に近づく中心国状況」にあることではないか。先生が控え目に表現した没落の「予感」は確実に「実感」される現実に変わった。1980年代、エズラ・ボーゲルに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とおだてられて有頂天になったころから日本は針路を誤った。
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