喉薬で腹痛が治る人の話

 74日は昭子の誕生日だった。26年間も病気の後遺症と付き合いながらよく頑張ってきた。74日はアメリカの独立記念日だ。自立の意識を強く持って過ぎしてきたから、昭子にふさわしいいい誕生日だと感心する。昭子を最初に見たのは大学に入学した直後、大講堂で行なわれた新入生ガイダンスのときだった。田舎者の私は壇上でテキパキ応答する数人の女性(そのなかに昭子も)を見て、大都会の女性はさすがにすごいと目を見張った。次は2年後のゼミ。井出嘉憲先生が年度途中で留学したため、行き場を失った私を大原光憲先生が誘ってくれた。そのゼミに過日このブログに書いた須藤幸世さんと一緒に昭子がいた。ゼミの合宿で千葉県に調査に行ったとき私は腹痛を起こした。昭子は親切に手持ちの薬をくれた。功あって?すぐに回復。ところがこの薬、なんと喉薬のトローチだったとあとでわかった。喉薬で腹痛が治る、なんとも単純な男とみんなにからかわれたが、それからは昭子とは一緒に勉強する機会が増え、卒業2年後に結婚。彼女は発病まで32年間家事を取り仕切ってくれた。私があと6年頑張ればイーブンになる。時はジェンダー平等の時代だ。

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