忙しいは怠け者の常套句 

  いま庭と森が美しい。この淡い芽吹きの季節が一番好きだ。シラカバなどの木々をシルエットに森の向こうに落ちる夕日の美しさもこの時期ならでは。こんな情景にうっとりしながら想う。スケッチして少し彩色してみたい…。けれども毎年想うだけで一歩も前に出ない。絵は子どものころから好きだった。白い紙のない時代。親や姉からもらった不要の便せんやノートの余白で楽しんだ。セミプロの絵描きだった小6の担任、藤井正先生の指導で村の学校の展覧会に出展して金賞を受賞したこともある。村を離れてから今日まで70年、描きたい想いはずっと引きづってきたが、しっかり心をきめて向き合うことはなかった。その理由はいつも「多忙」。チャンスは何度かあった。東京で先輩友人の宝田善さんが油絵の道具まで提供してくれたのに2回しか指導を受けなかった。北大にきてから再会した藤井先生にも勧められたが間もなく先生は他界された。自然保護協会の会長だった八木健三先生とはいろいろなところへご一緒した。先生はスケッチブックを手放さず、どこへ行っても5分で仕上げ、私にも勧めてくれた。これなら私にもできそうと思ったが結局は先生に感心するだけに終わった。もう無理。美しい風景は心のなかに描いておこう。人生の反省→忙しいは怠け者の常套句

 

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