杓に浮かべる笑顔と景色
昨日はシャク(杓)に舌鼓を打った。もう30年前のこと、石狩の送毛(旧浜益村)で漁業を営む本間晃・千津子夫妻のところからきたものだ。一昨日読了した諏訪宗篤『松の露-宝暦郡上一揆異聞』に郡上(岐阜県)の村方がシャクのおひたしを食べた話があって、すっかり忘れていた防風林のシャクをあわてて思い出した。1980年代から90年代のバブル期に全国にリゾート・ゴルフ場開発が吹き荒れた。一方で、これによる環境破壊を恐れた反対運動も全国的に展開され、妻の昭子はそのリーダーの一人として全国を飛び回っていた。北海道も例外でなく浜益村にもゴルフ場開発の波が押し寄せた。浜益村は天然林が圧倒する自然の宝庫である。石狩湾の漁場はこれに守られている。ゴルフ場による海の汚染を心配して立ちあがった漁師のみなさんを支援して、私たちは初めて浜益村を訪れた。本間さん夫妻と出会ったのはそのとき。本間さんは大卒後勤めていた会社を辞めてUターンし漁業を引き継いだばかりのころ。若き本間さんは反対運動の先頭に。ゴルフ場は阻止された。私たちの親交はそれ以来。昨夜は、ご夫妻の笑顔と送毛の自然を想い浮かべてシャクを楽しませていただいた。
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