春は多忙の食いしん坊一家

 森と防風林の春は樹木の根元からやってくる。太陽熱を吸収した木々の根元から雪どけがはじまり、円を描くようにひろがって森の雪が消えていく。あとを追うように、フキノトウが落ち葉をもたげて姿を表わす。フキノトウはわが家の春一番の山菜で、油みそ炒めは春の風物詩。独特の香りと苦みは春の森の目覚めを思わせる。あと23日で採取できそうだ。山菜二番手は防風林のシャク。これも1週間後には最初の採取の時期を迎える。浜益村(現在の石狩市浜益区)送毛で漁業を営んでいる友人、本間晃・千津子さん夫妻のところからいただいて移植したもの。石狩方面ではいたるところで見かけるが、それ以外では見かけない植物だ。当地では春一番の山菜といわれているようで、おひたしにする。移植した当時は一株だったが、いまはあちこちにひろがり、背丈が50㎝前後に成長するとノラニンジンのように伸びた茎の先に疎らな白い花を揺らゆらさせる。庭のキトピロ(通称・ギョウジャニンニク)も芽が出はじめた。ニラに替えてこれを用いた餃子は天下一品。ウドのきんぴら…などなど、これから他にも春の山菜料理が目白押し。4月、5月、食いしん坊のわが家は毎年忙しくなる。

 

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